あさひ薬局の漢方で健康家族

番外編:岩手山麓〈夢〉探訪
自然が育んだ森の幸、キノコの魅力

〈2005年 10月1日号 特集記事/取材協力:あさひ薬局〉

 豊かな旬の味覚にあふれる秋。山の幸の代表格といえばなんといってもキノコです。古くから身近な食物として利用され、近年では健康的な自然食品としても注目されています。また、国内だけでなく、世界各国でもキノコは人気。地域性を生かし、さまざまに食されるキノコの魅力に触れてみませんか。

世界の食卓を飾るキノコたち

 国内で食用可能なキノコは約300種類、好んで食されるものは約70種といわれています。炊き込みご飯やキノコ鍋など、日本の秋の食卓にその味は欠かせません。
 海外ではロシアがキノコの産地として有名。「ロシアで料理が7つ。全部がキノコ」ということわざがあるほど、国民の多くに親しまれています。人気の高い、ベーリィ・グリブィやグルジヂと呼ばれるものをはじめ種類も豊富で、かつてはフランスなどに盛んに輸出されました。
 欧州各国でも、古代ギリシャ・ローマ時代から神様の贈り物と呼ばれ食されています。イタリアではポルチーニ茸が珍重され、その評価は日本のマツタケに相当します。森の国と呼ばれるドイツでもキノコは人気。イタリア同様ポルチーニ茸はキノコの王様で、シュタインピルツという名で親しまれています。

旬を迎える岩手のキノコ

国内では一番人気のマツタケ。ツガに生えるマツタケは特に貴重

 岩手のキノコシーズンは八月に始まり、10月にピークを迎えます。比較的早期から出てくるのは、アミタケやマツタケ。食用キノコの代表格として知られるマツタケは味や香りの良さだけでなく、鉄分や各種アミノ酸といった栄養素も豊富。桂皮酸メチルやマツタケオールという成分による特有の香りを生かした炭火焼きや土瓶蒸しなどは、マツタケでしか味わえない秋の味覚です。

 10月に入ると、山々では一斉に各種のキノコが出てきます。主なものだけでもハツタケ、コウタケ、ホウキタケ、シメジ、マイタケなど多種多様なキノコで森はにぎわいます。

ハツタケホウキタケハタケシメジ

環境問題とともに進む収穫の減少

マツの林には多種のキノコが見られる

 キノコの生える場所は、たとえ親子でも教えないものといわれます。名人たちは自分だけの秘密の場所を確保し、早朝から収穫に出かけます。昔からマツタケ狩りなどには、マツタケ道と呼ばれるひそやかな道をたどり、おおっぴらにしない工夫がこらされてきました。これは、乱獲を防ぐためでもあり、また自然を大切にする知恵でもあります。知識がない人では土ごと大きく穴を開けてしまい、周囲を根こそぎ破壊してしまうことなどもあるのです。

 キノコは夏の気温が高いと、出が悪いといわれます。岩手でも今年は遅れ気味。また近年では全体の収穫量も減少傾向にあります。原因は全国的な自然破壊をはじめ、手入れの行き届かない森林の増加や、キノコ名人たちの高齢化などが一因ともいわれます。
 古くから我々の生活に深くかかわってきたキノコ。その味わいと共に、環境への思いも少し巡らせてみませんか。

スギヒラタケにご注意!

 ニュースなどでたびたび話題になっていますが、今年に入り、食用として知られるスギヒラタケによる事故が相次いでいます。これは新潟県および山形県において、スギヒラタケを食した人が急性脳症を発症、死亡者も出ているもの。年度により毒性があるという意見もありますが、正確な関連性についてはまだ明らかになっていません。特に腎機能が低下している方などは、安全性が確認されるまで摂取を控えましょう。

採れたての幸に舌鼓、地元で味わう絶品キノコ料理

 自然色豊かな素材としての魅力にあふれるキノコ。岩手にはキノコの味を知り尽くし、その知恵を料理に盛り込んだメニューを味わえるお店があります。ぜいたくに盛り込まれた、地元産のキノコたちをさまざまな形で味わってみませんか。 

歴史ある料亭の極上マツタケ

採れたてばかりでなく、乾燥・瓶詰めなど、様々に利用できるのがキノコの良さ

 盛岡の老舗料亭「日本料理 田中」では、9月ころから極上のマツタケが楽しめます。使用するものはほぼ全てが国内産。なかでも人気の高い岩手山で採れたものが中心。

 おかみさんの田中宏子さんは「通常アカマツ林に生えるマツタケですが、岩手山のものはツガ林に出るんです。これは香りや歯触りも最高級のもの。炭火焼きなどにすると部屋中が香りで満たされるんです。なかなか数が採れないのが残念ですね」と話します。シーズンにはほかにもハツタケ、ホンシメジ、マイタケとともに、地元の幸を盛り込んださまざまな料理が堪能できます。

日本料理 田中

盛岡市志家町9-24

TEL.019-624-3927

日本料理 田中

海と山の幸あふれる三陸で味わうマツタケ料理

アワビで挟んだ豪華な「マツタケとアワビのサンドステーキ」

 山海の幸をぜいたくに使った料理で、全国に名を知られる釜石の「中村家」。秋には沿岸の海の幸とともに三陸のキノコが味わえます。「三陸沿岸は、海に迫るように山があり良質なキノコが大量にとれるんですよ」と社長の中村勝泰さん。焼マツタケをはじめキノコしゃぶしゃぶなど、料理されるキノコはどれも採れたて。

 「本当に良い素材を、ドンッと出すのがうちの特徴ですから、多い時には、仕入れたキノコで部屋がいっぱいになるくらいだよ」と中村さん。また、漁師がキノコを採るのもこの地ならではの特徴。海に山に活躍する、名人たちの手による厳選された味覚が楽しめます。

三陸海鮮料理 中村家

釜石市鈴子町5-7

TEL.0193-22-1140

三陸海鮮料理 中村家

リピーター続出の名物ラーメン

秋には多くのリピーターで注文が殺到する「きのこラーメン」

 八幡平市田山地区で名物の「きのこラーメン」を提供しているのが「田山ドライブイン」です。

 惜しげもなく投入されているキノコは、ナメコ、ヒラタケといったものから時には天然のヤマブシダケなど、多い時には16種類におよぶことも。「キノコ好きなら驚くような珍しいキノコが入っていることもありますよ」と話すのは2代目を務める川又秀幸さん。
 貴重なキノコは常時あるわけではないので、幸運を求め足繁く通うことをおすすめします。

田山ドライブイン

八幡平市沖田表15-1

TEL.0195-73-2353

田山ドライブイン

※次回も自然の宝庫・岩手から、面白話をお届けします。

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