中国漢方における不妊療法の目的は、気・血の流れをコントロールし、妊娠しやすい体をつくることと、妊娠後の流産予防や安産、胎内で赤ちゃんが元気良く育つよう母体の調子を整えることにあります。しかし、不妊症は女性だけの問題ではなく、夫婦が協力して取り組まなくてはいけないのです。
不妊症というと、どうしても、女性の病気と考えがちですが、不妊は男性に原因がある場合が全体の約半数にのぼります。男性不妊には、精子数の減少や運動率の低下、ストレスによるED、精力減退などが考えられます。また、女性と同じように性感染症やホルモン異常などもその原因となります。中国漢方では、お血(循環障害)の状態が原因とされる場合も多く、血行を良くし、お血を取り除く漢方薬が効果的です。さらに、お尻・下腹部を重点的に温める座浴などの養生法で血流を改善していくと良いでしょう。
夫婦生活を長く続けると、子宮頚管の粘液に、精子を敵と誤認し、攻撃してしまう抗体(抗精子抗体)ができ、そのため精子が子宮内に入れないという現象がおこることがあります。第二子不妊の場合には、このような原因も考えられます。この場合には、ホルモンや免疫の調節作用をつかさどる腎の働きを補い整えていく漢方薬が効果的です。また、出産によるさまざまな負担により、産後の母体はホルモンバランスが乱れたり、その働きが低下することがあります。そのため、まず第一子の産後をしっかり養生することに重点をおきます。
月経周期には、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の周期があります。西洋医学で考えられているこの妊娠のしくみと、漢方の考え方を合わせて、妊娠しやすく体のバランスを整えるのが、周期療法です。月経周期は、基礎体温から、先ほどの四つの時期に分けられます。各時期の状態にあわせた漢方薬を服用することで、効果をよりいっそう高めるというのが周期療法です。
この療法は、月経周期がある程度安定している人にのみ適用されます。月経周期が安定していなければ、それぞれの時期を割り出すことも難しくなりますし、まずは生理不順の原因を改善するのが先決だからです。血のめぐりの悪さや冷え、生理不順が改善され、月経周期が安定した時点で、必要であれば、周期療法を取り入れることを考えましょう。
女性はもちろんのこと、妊娠のメカニズムを男性も一緒になって学ぶこと、ここから不妊の改善は始まるのです。
正常な基礎体温による月経周期と「周期療法」
月経期: いらなくなった子宮内膜や月経血を支障なく排出するため、血流を改善しましよう。血のめぐりを良くするツボ押しなども効果的。
卵胞期:受精卵が着床しやすい厚い子宮内膜を作るとともに、卵子の成熟を促す手助けをする。不足しがちな血などを補うことが大切。
排卵期:スムーズな排卵を促し、卵胞をすばやく黄体に変化させるため、気や血のめぐりをよくする。
黄体期:子宮内膜が厚く柔らかい状態になるよう、気や血を補う。また、着床しやすい状態に整え、受精卵に十分な栄養が行き届くように気や血の流れを整えることが大切。
基礎体温をつけ、月経周期を見直そう
1)朝起きたら、ふとんの中で安静にしたまま計ります。
2)睡眠不足や暴飲暴食など、ちょっとしたことでも影響を受ける基礎体温。その日変わったことがあったら、一緒にメモをしておく。測り忘れたら空白にしておく。
3)基礎体温は一時的に乱れることもあるので、一カ月計り続けることはもちろん、三ヶ月ほど様子を見て計り続けると良いでしょう。
※婦人科系の気になる症状がある場合は、早めに医療機関での検査をおすすめします。
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